区分所有権(くぶんしょゆうけん)
一棟(ひとむね)の建物の構造上区分され、かつ独立して利用可能な部分について
成立する所有権です。
区分所有権の成立する建物の部分を「専有部分」、その他の部分を「共用部分」といい、
前者は住家にしたり、店舗・事務所にしたり、あるいは売却したりするなど、
自由に利用できるのに対し、後者は原則として区分所有者全員の
「共有」となります。
区分所有関係は、古くは民法208条(削除)によって規律されていましたが、
近時の高層ビルやマンションが建築される時代の到来によって、その
権利関係を詳細に規律する必要が生じたため、昭和38年に「建物の
区分所有等に関する法律」が制定され、この法律は更に
昭和58年に大幅に改正されました。
新法は区分占有者は全員で「団体」を構成するものとし、この団体を法人化
(管理組合法人)する道を開き、各区分所有者は、建物の管理・使用等に
関し「共同の利益に反する行為」を行なってはならず、これに違反した
際は、区分所有者の決議で、違反行為の停止、行為の結果の除去・
予防を請求でき、更には、訴えによって専有部分の使用禁止や、
違反者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求できるもの
とするなど、区分所有権に対する団体的拘束を強め、専有
部分や共用部分の持分、敷地利用権の三者は原則として
分離して処分できないものとし、決議による建物の
建替え制度を新設するなど、大幅な改正を
行ないました。
なお、同時に改正された不動産登記法では、区分所有建物に限って、
建物登記と敷地利用関係の登記を統合させました。
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