付合(ふごう)
所有者が異なる複数の物が結合及び合体し、物理的あるいは社会経済的にみて
分離不可能若しくは分離することが相当でないとみられる状態にある
ことをいいます。
例① Aさん所有の田んぼにBさんが自前の苗を植栽したり、Aさん所有の建物にBさんが台所を増築した場合のように、不動産に動産が結合させられ、分離復旧することが社会経済的にみて著しい損失となる時は、両者は分離復旧を請求できず、結合された動産(付合物)は不動産の所有権に吸収され(Aさんの所有となります)、旧所有者のBさんは所有権を喪失します。
ただし、結合された者(Aさん)が土地利用権者であるなど、結合させる権利
(権原)を有し、かつ結合された物がなお物として独立性を失わない時は、
結合された物(苗)の所有権を失いません。
なお、土地と建物は常に独立の不動産として扱われるので、
付合することはありません。
例② Aさん所有の靴にBさんが自前の皮革で半張りした場合のように、所有権の異なる複数の動産が結合し、毀損しなければ分離できない状態となった時は、各所有者は分離復旧を請求できません。 そして、両動産の間に主従の区別があれば、付合物の所有権は主たる動産の所有権に吸収され(Aさんの所有となります)、主従の区別が無ければ、各所有者が両動産の価格の割合で、物全体(合成物)を共有します。
付合の結果、所有権を失った者(上記のBさん)は、その所有権を取得した
者(上記のAさん)に対して、不当利得の規定に従って補償金を
請求することができます。
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