根質(ねしち)
継続的な取引から生ずる不確定な(最高の限度額が定められることがあります)
債権を担保する目的でなされる質をいいます。
銀行と商人の間で、商人の必要に応じて銀行が、その都度一定の金額に達するまで
資金を融資するという契約を結ぶケースが多いです。
その際に、将来生ずる債権を担保するために銀行が
受け取ることがあります。
このような場合が根質にあたります。
根質が普通の質と異なる点は2つあります。
Ⅰ一般の質権は債権が成立しない以上、成立しませんが、根質は、少なくとも現実には
債権が発生していないにもかかわらず成立すること。
Ⅱ一般の質権は債権がなくなれば質権もなくなりますが、根質は、債権がいったん
弁済によってなくなってもなくならないこと。
この2つの点は、担保物権は質権とともに発生し、債権とともに消滅するという原則
(担保物権の附従性といいます)とずれますが、現在では実際の取引上の
必要から広く認められていて、その限りでは附従性の原則もある程度
緩和されていることになります。
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