重利(じゅうり)



複利ともいい、いわば「利息の利息」です。


弁済期に支払われない利息を元本に組み入れ、その元利合計に更に利息を生ませる

ことです。


例えば、10万円を年1割で年ごとに決済する複利で貸し付けたとすると、1年後には
利息は1万円となりますので、これを元本に組み入れると元本は11万円となり、
2年目は11万円について1割の利息(11,000円)が支払われることになります。



重利が生ずるのは次の3つの場合です。

  • 法定重利  民法405条は、一年分以上の額の利息の支払いが延滞している場合に、  債権者が支払いを催告したのにもかかわらず、なお支払われないときは、  債権者はその利息を元本に組み入れてもよいとしています。  これを法定重利といいます。  法定重利は債権者が組み入れの意思表示をして初めて生じます。

  • 法律の特別の規定によって、当然重利が生ずることがあります。  交互計算の残額についての商法533条の規定などによって、債権者が組み入れの  意思表示をしたかどうかなどに関係なく、当然に重利が生じます。

  • 約定重利  これらに対して、当事者の契約によって重利を生じさせることがあります。  これを約定重利といいます。  あらかじめ重利を契約したり、利息が生じてからそれを元本に組み入れたりなど、  重利の特約の内容には、さまざまなものがありますが、いずれも利息制限法が  適用され、高利をとることは許されません。