附従性(ふじゅうせい)



 債権を担保するために、抵当権・質権を設定したり(物的担保)、保証人を立てたり

します(人的担保)。


 そこで、元となっている主たる権利・義務のほかに、抵当権・質権をめぐる権利・義務・

保証債務およびそれに対する権利というふうに、従たる権利・義務が生じます。


 このような場合に、従たる権利・義務は主たる権利・義務が成立しなければ

成立しませんし、主たる権利・義務が消滅しなければ消滅します。


 例えば、主たる債務者が未成年であったために、法定代理人が取り消したら、


はじめから債権・債務はなかったことになりますので抵当権・質権・


保証債務もなかったことになります。



 また、主たる債務者が債務を履行したことにより債務が消滅すれば抵当権・質権・

保証債務も消滅します。


 主たる権利・義務の存在に従うこのような従たる権利・義務の性質を

附従性といいます。


 しかし、附従性を厳格に要求すると実際の取引に適さないことが起きるので

附従性の緩和が必要とされる場合があります。


 例えば、根抵当・根質・根保証の場合のように、貸金の枠を定めて(例えば100万円

までという契約)、その範囲で借りては返し、借りては返すような取引関係では、

その枠、つまり100万円の債務のために、抵当権・質権あるいは

保証債務が設定されます。