相続人が一人しかいなければ、その一人が全相続財産を承継します。
これを単独相続といいます。しかし、実際には、相続人が
2人以上いることが多いです。この場合には、相続財産は
その相続人の相続分に応じて分割するわけであるが、
その分割までは全相続人の共有とされています。
この分割までの関係を共同相続といいます。
ところで共同相続とは相続財産の共有だといっても、厳密にいえば、
いわゆる「共有」とみるか、それとも「合有」とみるかによって、
その法律的性質に違いがあります。
もし「合有」だとすれば、分割前には、各相続人は相続財産に対し
持分に応じた現実的処分権を持たないから、一部の相続人
から相続財産の一部を譲り受けた第三者は、
たとえ善意であっても、その相続財産を取得できないが、
反対に「共有」だとすれば、取得できること
になります。どちらが正しいでしょうか?
学説は半々ぐらいだが、昭和22年に改正され
た民法909条但書の趣旨から見て「共有」と解したほうがよさそうである。
判例は、分割のできない債権は別として、
分割可能な預金債権や保険金受取債権などは
相続分に応じて分割帰属すると解し、
大体「共有」とみています。
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