裁判官と裁かれる事件との間に、例えば裁判官が被害者であるとか、被告人の

親族であるとかいった関係があるなら、常識的にみて、その裁判官に

公平な裁判を期待できないし、そのような裁判官でも裁く地位に

就くことができるなら、国民の裁判制度に対する信頼が

失われぬとも限りません。

 そこで法は、常識的にみて公平な裁判を期待できない一定の場合を決めて、

それに当たる裁判官はその事件を裁く地位に就けないものとし、

そういう裁判官は、当然裁判から退かなくてはならないとしました。これを

除斥といい、除斥されなくてはならない事件とのつながりを

除斥原因といいます。なお、除斥の制度は

裁判所書記官にもあります。