検察官の役目は、主に犯罪事実を捜査して裁判所に訴え、法の正しい適用を求めて活動し、
下された裁判の執行を監視することです。この役目を検察事務というが、検察官は、
一人ひとり国家の機関として、検察事務を処理できるのであって、
この点で普通の官庁とは違っています。右のように検察事務は
司法と密接に関係するため、
普通の行政官の場合とは違って、検察官の任命には厳重な資格要件があり、
また身分が保障されています。
もっとも、検察官は一人ひとりが検察事務をつかさどる国家の機関だといっても、
裁判所のようにお互いに無関係に活動してよいわけではないです。
すなわち全国の検察官が法務大臣を頂点に上の命令を受けて、
その命令に従って活動するという関係(上命下服の関係)でつながり、全員が一体となって活動します。
これを検察官一体の原則といいます。
この点で、検察官は、裁判官と違って行政官的色彩が強いです。というのも、
治安を維持する最後の責任は、内閣が国会に
対して負わなければならないので、
内閣は法務大臣を通じて、ある程度検察事務に干渉できる道が残されており、
昭和29年の造船疑獄は内閣の干渉を受けたいい例です。
検察官の種類には検事総長、次長検事、検事長、検事、副検事の5つがあり、また、
任命資格により一級と二級があります。検事長以上はすべて一級であり、
検事は一級と二級、副検事は二級です。
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