公知の事実


 普通の知識経験のある不特定の人々が、その存否の確実なことに少しも疑いを

持たない程度に知れわたっている事実のことです。

裁判官も知っているものでなければ

ならないのは当然です。

その認識の方法・時期などは問わず、常識のある社会の一員として

知っていれば十分です。

 判例で公知の事実とされたものは、例えば自然現象(東京に大正12年

大震災があった事実)、生理現象(分娩所要日数、統計上の平均年齢)、

政治上の現象(ロシア帝政廃止の事実、選挙区における候補者の氏名)、

経済上の現象(ある時期における物価の謄落、公租公課の増減)、

交通通信上の現象(信書の到達に要する時間、

一定の場所からある物が見えるとか

見えないとかの事実)などです。

なお慣行については、それが公知の事実であるかどうかについて、

判例上かなりの問題があります。