少数派の株主であってもその代表者を取締役として送り込むことを可能にし、

多数派の専横を防ごうとする制度です。
 
 株主総会の目的である事項が2人以上の取締役の選任である場合には、

株主(取締役の選任について議決権を行使することができる株主に限る)は、

定款に別段の定めがあるときを除いて、

会社に対し、株主総会の日の5日前までに、次に掲げるような方法(累積投票)で

取締役を選任すべきことを請求することができます。
 
 すなわち、株主は、その有する株式1株(単元株式数を定款で定めている場合は

1単元の株式)につき、その株主総会において

選任する取締役の数と同数の議決権を有します。

この場合においては、株主は、1人のみに投票し、または2人以上に投票して、

その議決権を行使することができます。

そして、投票の最多数を得た者から順次取締役に選任されたものとします。

(このほか必要な事項は法務省令で定める)。

 この方法によれば、例えば3人の取締役を選任する総会において、100株の

株式を有する株主は300票全部を1人の候補者に投票してもよいし、

また、適当に分けて2人以上の候補者に投票してもよいということになります。

発行済株式総数が1万株の場合に、少数派が2501株を集めて1人の候補者に

集中投票すれば、必ず1名の代表者を送り込むことができる計算になります。

 もっとも会社は、定款で、取締役の選任は累積投票によらないことを

定めることができます。

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