自分の行為に故意も過失もなければ、損害が発生しても

賠償責任を負わなくてもよいという原則です。

民法は過失責任の原則を採用しており、不法行為責任および契約責任とも

故意・過失を要件とします。

ただし、不法行為の場合には、損害賠償を請求する被害者の方で加害者の

故意・過失を証明しなければならないのに対し、債務不履行の場合には、

損害賠償を請求された債務者の方で自分に故意も過失も

なかったということを証明するのでなければ

責任を免れることはできません。

不法行為損害賠償を請求する場合において、加害者の過失を立証することが

困難なケースが多く、問題を生じています(「過失」の項参照)。

 自分の行為に故意・過失なければ責任なしという過失責任の原則は、

経済的活動の自由を保障するものとして大きな意義があったが、

今日のように危険物、有害物を取り扱い、

利用しまたは流出発生させることによって収益をあげている企業が生じてくると、

過失責任の原則を修正しまたはこれに代わる

原則が必要とされてきます。