注意を著しく怠った場合、重大な過失(重過失)があるといいます。
軽過失とは普通の過失のことで、重過失ではない
ということを示すにすぎません。
故意または過失がなければ不法行為は成立しないが、失火の責任に関する法律は
例外的に、失火者に故意または重過失がある場合にのみ
不法行為賠償責任を認めます。
わが国では木造家屋が多いため延焼により損害賠償が巨額となることを考慮したものです。
ただしこの法律は債務不履行責任には適用されません。
例えば、賃借人や他人の物を預かっている
受寄者が軽過失による失火でその目的物を焼失させても、
契約上の損害賠償責を任は免れません。
不法行為責任の場合、故意・過失の証明は、損害賠償を請求する被害者が
しなければならないが、特に過失の証明は
困難なことが多いです。
無過失責任が認められている場合はよいとして、公害その他の
企業責任や医療過誤の場合、高度の専門的技術を要しまた内部の事情のため、
過失の証明は極めて困難です。
このような場合、判例・学説は、一応過失があると思わせる事情を被害者の側で
証明できれば、必ずしも裁判官に
過失についての確信抱かしめる必要はないとしたり、また過失の前提である
注意義務の程度を高く考えることなどによって
過失の証明の負担軽減を図っています。
前者の方法を一応の推定または事実上の推理といいます。
コメント (0)
コメントを書く