一般には、会社が資金を調達するために公衆から募集する方法によって

起こした借入負債に対する債権であって、

これについて債券が発行されるもの

(資金調達の方法としては、

このほか借入金・募集株式発行の方法がある)。
 
 会社法においては、本法の規定に基づいて会社が行う

割当てにより発生する、会社を債務者とする金銭債権であって、

募集社債に関する事項についての定めに従い

償還されるものをいうと定められています。

なお平成17年改正前商法においては株式会社についてだけ

社債についての特別の規定があり、

狭い意味で社債とは株式会社の社債だけを指したが、

会社法では持分会社についても

社債を発行できる規定になっています。
 
 社債は公衆から多額・長期の資金を調達する方法であり、

社債権者である公衆の保護の必要性と、大量性・集団性を有するから、

そのための特別の技術的処理が必要であること

などに法規整の特色があります。
 
 社債の本質は、純粋の債権であります。したがって社債権者は

会社の外部にある債権者であり、会社の構成員である

株主とは全く異なります。

それゆえ社債権者は会社の経営に参加することができないし、

議決権もなく、剰余金配当・残余財産の分配も

受けることができませんが、

その代わりに利益の有無に関係なく一定額の利息の支払いを受け、

また、償還期限が来れば、社債の償還を受けることができます。

更に会社が解散した場合には、株主よりも先に通常の債権者と

同順位で会社財産から弁済を

受けることができます。
 
 このように社債と株式とは、その法律上の性質が全く異なりますが、

経済上は企業の所有と経営の分離現象(株主は会社の経営に

関心を持っていないから決議権をほとんど行使しない)や

配当平均化の現象により、また法律上も議決権制限株式や

新株予約付社債など株式と社債の中間的な形態のものが現われ、

次第にその差異は少なくなっています。