正当防衛の要件が具備されていないにもかかわらず、具備していると
誤信して防衛行為に出ることをいいます(錯覚防衛)。
夜道で人と出会い、これを強盗と思い違いして傷つけたら、単なる
通行人だった、というような場合に論じられます。
実際には、急迫不正の侵害(強盗,etc)がないのにあると誤信して
防衛行為に出たという点で、侵害の存在を前提とする正当防衛に
類似していますが、似て非なるものです。
この場合を、単なる過失傷害と捉えるか(事実の錯誤説)、または
一応、故意の傷害と捉えるか(違法性の錯誤説)については
学説の対立があります。
刑法学上、最も争いのある問題の一つとなっています。
なお、これに関して「盗犯罪防止及処分ニ関スル
法律 一条二項」に特則があります。
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