政治的・宗教的あるいは道徳的な義務の確信を、その決定的な同機として

 
 なされる犯罪をいいます。

 


 このような犯罪の行為者は、確信犯人と称されます。

 確信犯は、社会の急激な変動期や政治的・宗教的な思想の急変する時期に

 現れることが多いです。

 政治犯国事犯といわれている犯罪は、通常、この確信犯としての

 性格を有しています。


  刑事犯罪論においては、確信犯人に、果たして、違法性の意識

 (認識)があるのか、また、それには、期待可能性があるのか、

 が問題とされています。


  確信犯人には、違法性の意識はない、とする立場もないわけではありませんが、

 これに反対する立場からは、確信犯人にも、現在の法秩序には反する、

 との意識はあるのだ、と説明されています。

 刑事政策の面では、確信犯人に、通常の刑罰を科するのが適当なのか、

 あるいは、保安処分が必要なのではないか、が問題となってきます。


  ドイツにおいては、1922年、ラートブルッフ草案が、確信犯人には、

 名誉拘禁こうきんの性質をもつ「監禁刑」を科すべきである、との

 提案をしましたが、、現行ドイツ刑法は、各則で特に

 規定した罪においてのみ監禁刑を科し得る

 ものとしています。