行為が法律上許されないものであることを知らないこと

 (許されていると信じることを含む)をいいます。

 
 新しい取締法規が作られたことも知らずに平気で違法行為を行なうことは

 法律の錯誤にあたります。

 この場合、法律の有無にかかわらず、道徳的に悪とされる自然犯ならば、

 法律の錯誤は弁解の理由にならないとしても良いかもしれませんが、

 道路交通法とか公職選挙法などに定めてある犯罪は、

 法律を知らなかったり、正しく理解していないと、

 悪いこととは知らずにうっかり違反行為を

 犯してしまうおそれがあります。

 これを普通の故意犯として

 処罰するのは不合理です。


  そこで、特に、法定犯については、法律の錯誤のあるときは

 故意犯ではなく過失犯として扱えるとも考えられますが、

 もっとも法定犯は原則として過失犯までは罰しませんので、

 実際上は無罪となりましょう。

 判例は自然犯、法定犯を問わず、一律に法律の錯誤は

 問題としていません。