犯罪として規定されている行為を開始することをいいます。
未遂犯の成立には、客観的要件の一つとして「実行の開始」または
「実行の着手」ということが必要となります。
行為がこのような段階に入る以前のものは「予備」にすぎません。
予備の段階で処罰されるのは、極めて
侵害する犯罪の場合であり、且つ特にその旨の明文が
記されている場合に限られています。
では実際問題として、どういう状態に達したとき、実行の着手があるのか
という場合に、
①客観的な見解であり、いわゆる構成要件に属する行為事実の一部分、
またはこれに密接な関係のある行為が行なわれた時だとします。
②主観的な見解であり、これによれば、ある犯罪を犯そうとする故意が、
行為者の行動により、会部的に表現せられたとみられるべき段階に
達した時、ここに実行の着手があったものとします。
③要するに、犯罪となるべき事実に当たる行為の一部の実行によって、
行為者の犯罪実行への意思が確認されるに至った時、
ここに実行の着手があったというべきです。
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