各社員の行為について、取消原因があることがわかった場合に、
会社の存立を将来に向かって否定する法律上の制度です。
設立の取消しは持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)についてのみ認められ、
訴えの方法のみによって主張することができます。
取消原因となるのは、社員が制限行為能力者(成人被後見人・
被保佐人・被補助人・未成年者)である場合は、
意思表示に欠陥がある場合
(例えば詐欺または強迫など)、社員がその債権者を害する目的で
出資した場合等であります。
この最後の場合は、詐害行為といって、債権者に取消権があるので、
会社法は債権者にも設立取消権を
認めているのであります。
設立取消しの訴えをすることができる者は、欠陥のある行為をなした者、
その代理人および債権者であり、被告は会社ですが、
詐害行為による債権者の設立取消しの場合は、
会社のほか、詐害行為をした社員も被告となります。
取消判決が確定すると、会社の設立は取消しによって無効とりますが、
その判決の効力などについては、
すべて設立無効の場合に準じています。
株式会社以外の会社に設立取消しの訴えの制度が認められているのは、
これらの会社では社員の人的信用が重大であり、
社員の設立に関する行為の取消しによる無効の結果、
この人的信用に重きを置く個人企業的な会社の人的基礎が失われることとなるので、
法は会社の設立を取り消すことにより、
全体的に無効とすることとしたのであります。
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