自動車の保有者等が自動車を所有し、使用、管理することにより、

他人の生命・身体を害し、または他人の財物を毀損して

賠償責任を負担することによって被る損害や、

偶然の事故によって自動車に生ずる

物的損害を填補するほか、

自動車の運行によって保有者等が身体に傷害を受けた場合に

一定の保険金を支払う任意的自動車保険。

 自動車保険の内容は、右のように対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、

車両保険等の損害保険、および自損事故保険、無保険車傷害保険、

搭乗者傷害保険の傷害保険であり,これらのあるものは単独で、

ある者は特定のものに付帯して契約できる一般の自動車保険、車両保険以外が

セットになっている自家用自動車保険、右のすべてがセットになっている

対人賠償責任保険につき概説します。

 被保険者が被害者に対し賠償責任を負担した場合には、まず、

強制的自動車損害賠償責任保険(保険金額に制限がある)から保険金が支払われ、

なお、残存損害があるときに、 任意的対人賠償責任保険による

保険金が支払われます。そして、

この保険では、一事故、被害者一人について二億円までは保険金額を定めますが、

それ以外は保険金額を定めず、いわゆる青天井とされています。

保険者(保険会社)が保険金の支払いを免れる自由は、保険契約者または

被保険者の故意(重過失を含まない)による事故招致のほか、

戦争・変乱・地震・噴火等・の天災、

核燃料物資の作用などによる事故、

被保険者の一定範囲内の親族等に対して負担した賠償責任などで、

自賠責保険のそれより広い。この保険においても、

被保険者の賠償責任定額等の場合には、被害者は、保険者に対し直接に

賠償額の請求をすることが認められており、それは

被保険者の保険金請求権に優先するものとされていますが、

その請求できる額は、被保険者が保険者に

請求できる保険金の額に限定されます。

したがって、保険者が被保険者に対して保険金の支払義務を

免れる事由があるときは,被害者の直接請求も

認められないことになり、この点、

自賠責保険における直接請求権と異なります。