債務者が倒産して破産手続が開始されると、破産者に属するすべての

財産が破産者の管理下から切り離されて、破産管財人という

破産者から独立した機構の管理の下に置かれます。

この財産はやがて破産債権者の共同の満足に充てられるために換価され

ることになるが、このような状態に置かれた財産を総称して

破産財団と呼びます。

 破産財団に組み込まれるべき破産者の財産(法定財団という)は、

破産手続開始決定当時に破産者に属していた財産で、

かつ日本国内にあり、差押えができるものであることが必要です。

この財産には、動産・不動産のほか、債権、無体財産権、電話加入権が含まれ、

いわゆる「のれん」(得意先関係、営業上の信用・秘訣など)あるいは

ノウハウなどの事実関係も含まれます。

ただし、債務者が自然人(個人)の場合は、生活保障の目的などから差押えが

禁止されている財産は、破産財団に組み入れられません。

 また、破産手続開始決定の時に破産者に属していた財産でなければならないので、

決定前に破産者の手を離れてしまっていた財産や、破産者が自然人の場合に

破産手続開始決定後に破産者が取得した財産(新得財産)は破産財団には

組み込まれず、破産者が自由にできる財産となります(自由財産)。

 破産財団の性質を法的にどうみるかについては、かねてより議論があり、

破産による精算という独立の目的を持った法人(独立の人格主体)であると

解する立場と、あくまでも破産管財人による管理の対象にすぎないとみる

立場とが対立しています。

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