裁判外において包括的な代理権を有する商業使用人です。
①その代理権(支配権ともいう)が個々の行為に関するものではなく、
営業主の営業の全般にわたる包括的なものであることです。
②法律によってその範囲が定められ、営業主がそれに制限を加えても、
その事実を知らない第三者に対抗できません。
代理権に対する制限とは取引の種類・金額・時期・場所・人などに
関する制限です。
そして右のような代理権を有する者は、その名称のいかんを問わず
(例えば支配人、営業所主任、支店長など)、支配人とされます。
営業主の選任にかかり、雇用の終了または代理権の消滅によって終任します。
営業の廃止・譲渡によっても終任します。
いずれも登記がされます。
その代理権は営業主の営業に関するものであって特定の商号および特定の
営業所によって個別化された特定の営業をその単位とします。
それゆえ、営業主が数個の商号をもって数種の営業を営むときは、
支配人の代理権はその各商号の下における営業に限定されます。
また営業主が1個の営業について数個の営業所を有するときは、支配人の
代理権は各営業所の営業(事業部制をとるときはその事業部)に
限られます。
支配人と営業主との間の権利・業務はすべてその間の雇用契約によって
定まるが、商法は支配人に専心して営業主のためにその勤務に
服させると同時に、支配人が営業主の営業について知る
ことができた機密を利用し、営業主の義務において
自己の利益を図ることを防止するために、支配人に
特殊な不作為義務=競業および副業避止義務=を
課しています。
コメント (0)
コメントを書く