失火により目的物を燃焼させる犯罪をいいます。



 人の住居に使用し、若しくは、現に人がいる建造物・汽車・電車・艦船・鉱坑、

 または、他人の所有する、人の住居に使わず且つ人の現在しない建造物

 その他の物を過失により焼いたときは、抽象的危険犯であり、直ちに

 犯罪が成り立ちますが、それ以外の場合は具体的危険犯であって

 公共の危険が生じたことが必要となります。

 いずれも50万円以下の罰金に処せられます。

 過失による毀棄ききは処罰されていないのに失火のみが処罰されるのは、

 火力の持つ特殊な危険性のためだとされています。


  「失火により」 とは、過失により出火させることです。

 マッチの燃え残りを、サービスステーションの貯蔵タンクに捨てるなどの

 ような作為の場合でも、電気アイロンのスイッチを切り忘れたような

 不作為による場合でも良いです。


  業務上必要な注意を怠ったか、重過失があれば刑は加重されます。

 ここで業務というのは、通説は例えば、サービスステーションの従業員の

 作業のように、作業自体が発火の危険を伴う業務を意味すると

 解してきましたが、最近の判例では、夜警のように

 出火の場合にその防止を責務とするものも、

 これに含まれるとしました。

 重過失とは、不注意の程度が時に大きい場合を指します。