他人の財物を窃取 する罪をいいます。
他人の財物とは、他人の所有する財貨のことでありますので、
無主物を持ち帰っても窃盗罪にはなりません。
しかし、他人が飼育している牛や馬が放し飼いにされていても、
それを盗めば窃盗罪になります。
他人の所有物であっても、遺失しそれを他人が占有していない
ときには、窃盗罪は成立しません。
その場合は占有離脱物横領罪にあたります。
また他人から預かっている時計を無断で質に入れるのは
横領罪にあたり、窃盗罪にはあたりません。
不動産についても窃盗罪が成立するか、例えば、土地、建物などを
そのままの状態で窃取することができるのかについて、学説は
これを認めていますが、判例はこれを認めませんでした。
このため昭和35年の刑法改正の際に不動産侵奪罪や
境界毀損罪が新たに設けられました。
なお自分の財物であっても他人が占有しているとか、公務所の命によって
他人が看守している場合には他人の財物と
賃貸している自分の物を無断で持ち出せば、本罪になります。
電気は窃盗罪については財物と看做されますので、
配線をごまかして電気を盗用すると
電気窃盗罪になります。
窃取というのは、占有者の意思に反してその占有を排除し、
これを自己又は第三者の支配に移すことを指します。
したがって相手の不知に乗じて密かに奪取する必要はありませんので、
いわゆるカッパライも窃取となり得ます。
他人の物を自分の物であると偽って、それを知らない第三者に
持ち帰らせた場合には窃盗罪になります。
しかし、窃盗犯人から所有者が被害物を奪い返しても、
窃盗罪にはなりません (自救行為)。
泥棒がタンスの引出しに手をかければ着手があり、
その中の衣類を自分の手中に収めたときには
既遂となります。
親族間の窃盗については、法は家庭に立ち入らない
という趣旨で、その刑を免除されます。
窃盗罪は10年以下の懲役または50万円以下の
罰金に処せられます。
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