ゲヴェーレ

中世ゲルマン法の物権制度で、ローマ法のポセッシオとともに、

近代法の占有制度に少なからず影響を与えました。


商品交換の法ともいうべきローマ法では、物に対する法的支配権能

(物権)は、事実上の支配としての占有(ポセッシオ)の有無に

かかわらず、法的保護を受けましたが、それに対しいわば

自然経済の法ともいうべき中世ゲルマン法では、物に

対する法的支配権能は、事実上の支配を意味する

ゲヴェーレを伴うことによってはじめて

その効力が完全に認められました。


ゲヴェーレは「権利の衣(ころも)」だともいわれています。


民法の時効取得即時取得占有の権利推定規定などは、

このゲヴェーレの影響を受けたものだと

されています。