私人間の生活関係に関する利害の衝突・紛争を

国家の裁判権によって法律的・強制的に解決・調整するための一連の手続きです。


私法は、私人の生活行動の準則としての役割を果たす一方

それが認める法的地位が国家権力により実現されることを約します。


そこで、社会生活において生じてくる私人間の利害の衝突・紛争が

私法によって規律される生活関係をめぐる事件である場合に

その紛争事件の一方の当事者が私法によって認められている法的地位の確保を

求めようとするならば、自ら原告としてその紛争事件を裁判所の面前に持ち込み

裁判所の裁判を求めなければなりません。


そしてその裁判を求めるためには、

自分についていかにその法的地位を確保されるべきかの判断資料を提出し

また相手方も被告として原告と主張を争い

あるいはいかに自分の法的地位が守られるべきかを

裁判所に納得させるようにするのに必要な資料を提出するのです。


しかもそのことは、各自が自分の言い分を十分に

しかし無駄なく尽くさせるように配慮した法律に従って進められ

最後に裁判所がそれらの資料を基礎として法律を適用して

その判断としての判決を下します。


その裁判が、一定の金銭の交付や物の引渡し、作為・不作為を内容とする

命令裁判である場合には、更に強制執行によって、その裁判どおりの実現を図ります。

これら一連の手続が民事訴訟であります。


その裁判は、国家機関としての裁判所が国家権力の発動として

その紛争事件を解決することによって

一面において私法が認めた法的地位の実現を図り

それと同時に、他面において私法生活秩序の維持を図ることを目的とします。

民事訴訟とは、この目的を達成するための制度のことを言います。

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