不可分債権(ふかぶんさいけん)



 同一の債権に2人以上の債権者または債務者がいるときに、その権利を

分割できない場合があります。

そのような債権を不可分債権または不可分債務といいます。

 

例えば、Aさん、Bさんが共同でCさんから馬を購入した場合にAさん、Bさんの

Cさんに対する債権は不可分債権であり、Aさん、Bさん共有の馬をCさんに

売却した場合にAさん、BさんのCさんに対する債務は

不可分債務にあたります。



 これらの場合は給付(馬の引渡し)がその性質上不可分なのでありますが、

当事者の意思表示で給付が不可分な場合でも差し支えありません。

 
例えば、Aさん、Bさんが30,000円を分割せずにCさんから 授受する債権を持つようなことです。


 不可分債権では各債権者は単独で自分に履行すべき旨を請求できます。


 債務者は任意の一人を選んで履行することができます。


 債権者の一人と債務者との間に相殺、更改などの事由があっても

ほかの債権者に効力を及ぼしません。


 その他の関係は連帯債務の規定が準用されます。