偶然の事故発生の可能性による経済生活の不安定を除去・軽減するための

制度であって、特定の事故に遭遇するおそれのある多数者が、

統計上の事故発生率に基づいて算出された一定の金額(保険料)

をあらかじめ拠出しておき、

その中のある者に現実に事故(保険事故)が生じたとき、

その備蓄された資金から給付(保険金)

を受けるという仕組みをとります。

 国やその他の公法人が行う保険を公保険といい、

私法人が行うのを私保険といいます。

私保険には、保険の加入者が団体の構成員となり、

その団体が構成員のために

保険を行う相互保険と、

保険者が保険料の総額と保険金の総額との

差額を利得することを目的とする営利保険とがあります。

相互保険は、特別法によるもの(例えば船主相互保険組合法による相互保険組合)

のほかは、保険業法の定める相互会社がこれを行い、

営利保険は、株式会社が行います。

商法が営業的商行為として掲げる保険は、

この株式会社が行う営利保険の場合の、

保険契約を指します。

平成20年に成立した「保険法」は、

かつて商法におかれていた営利保険契約に関する規定を改正し

単行法として独立させたものです。

保険法は、保険を損害保険、生命保険、傷害疾病定額保険に分けて規定しています。

損害保険とは、保険事故による財産上の損害の塡補を目的とし、

したがって保険者の

給付額が一定していない保険です(不定額保険)。

これには、商法第三編が規定する海上保険のほか、

火災保険、運送保険、盗難保険、自動車保険、

責任保険などの種類があります。

生命保険とは、人の生存または死亡を保険事故として約定の

一定金額が支払われる保険です。

不定額保険に対する定額保険の典型にです。

これには、保険事故を標準として、

生存保険、死亡保険、生死混合保険(養老保険)があります。