為替手形および小切手で振出人から一定金額の支払いを

依頼される人です。

 為替手形と小切手では、支払人を記載することが要件と

されています。

約束手形には支払人はないです。

支払人は債務者ではないが、為替手形では、引受の署名をすると主な

手形債務者になります。

また、国内における取引の実際では、はじめから、引受署名をした為替手形用紙を

相手方に発行し、相手方が、自己指図(振出人が自分自身を受取人に

指定すること)で振出署名をするという方法がとられており、

支払人の記載で引受予定者を確保するという機能は

もはや失われています。

 支払人の氏名を表示するのが普通であるが、□□商店殿(商号)、

エノケン殿(通称・芸名)、大観殿(雅号)、

財務省□□局長殿(職名)、

新宿区花園町□□番地歯科医殿(職種)、祖父殿(親族関係)、

□□アパート所有者殿(財産関係の表示)など、いずれも、

だれを指定してるのかがはっきりわかる方法ならいいです。

 支払人が何人か書いてある場合については、「甲と乙」「甲および乙」という

ように二人で払うという意味の表示(重畳的記載)だけが有効であり、

「甲または乙」というような表示(選択的記載)は無効とするのが

通説であったが、選択的記載も有効であり、また「甲、乙」と並べて

書いてある場合は選択的記載とみるべきであって、所持人は

甲か乙かどちらか一人を選んで、支払表示すればよいと

解する説が有力になってきています。

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