特定(とくてい)
物の引渡債権において、引き渡すべき物がある特定のものに定まることをいいます。
例えば、Aさんの家屋を引き渡すという場合などは最初から引き渡す物は特定していますので、
ここでいう特定は問題となりません。
種類債権や選択債権のように引き渡す物がまだ特定していない場合に、
特定の問題が生じます。
種類債権において目的物を特定させ得るのは当事者の契約で決まっているケースが
多いですが、そういう取決めのないときには、債務者が給付に必要な行為を完了
したとき、すなわち持参債務のときは債務者が債権者の住所へ持参したとき、
そして取立債務のときは債務者がいつでも引き渡せるように取り分けて
債権者にその旨を通知したときに特定します。
選択債権のときには、特別の取決めのないときは原則として
債務者が選択の意思表示をしたときに特定します。
特定によって、それ以降は特定物引渡債務と同じになります。
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