その移転を受けた第三者を訴訟に加入させて、訴訟をそのまま続行させること。
例えば、貸金返還請求訴訟では、その貸金債権・債務の存否について
原告・被告が争うのであるから、訴訟の進行中にその貸金債権なり債務なりが
第三者に移転されてしまって、そのまま何の処置も施さないならば、
せっかくいままでその債権・債務の存否をめぐって進められてきた訴訟は、
現在の当事者間では無意味になってしまい、
あらためてその移転を受けた債権が訴えを提起し、
同じ債権・債務についての審理を開始しなければなりません。
そこで衡平上、また訴訟経済上の要請から
その権利・義務の移転を受けた者を係属中の訴訟に加入させて、
前当事者の訴訟上の地位をそっくりそのまま受け継がせて
訴訟を続行させようとするのであります。
だから、前当事者の弁論、証拠調べ、裁判なども、
そのまま加入当事者に持続させて、
あらためてこれを繰り返す必要がないとすると同時に、
前当事者ができなくなった行為は、加入当事者もできないとします。
ところで、通常は、権利を譲り受けた者は
自ら訴訟に加入してくるであろうからこれを許し、
また義務を引き受けた者は自ら加入したがらないだろうから、
相手方が訴訟への加入を申し立て、
裁判所がそれについて審尋したうえで決定により、
この者に訴訟を引き受けさせるということになります。
もっとも、義務を引き受けた者が自ら訴訟に加入することを希望したときは
これを許し、また権利を譲り受けた者が自ら訴訟に加入しようとしないときでも、
相手方の申立てにより、裁判所は決定で、
この者に訴訟を引き受けさせることが可能です。
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