任意代理

本人の信任を受けて代理人となる場合。任意代理は、本人の

活動領域を拡大するひとつの手段です。

人は、自己の信頼する代理人を用いることによって、時間を節約し、

経験や知識の不足を補うことができるからです。

本人が代理権を与える行為は授権行為と呼ばれます。民法は、これを委任と

名付けているが、委任に限らず、雇用・請負・組合などの契約中において、

あるいは、そのような契約の存在を前提にして、一定の法律行為をする権限を与えたり、

義務付けることもあるし、更には、そうした契約がなくとも、

代理権を与えることは可能です。

そこで、現在では、一般に委任代理といわず、任意代理といい、かつ、授権行為の

性質と、委任・雇用等の契約とは法律上は別の行為と解されています。

その結果、委任・雇用等の契約が無効になっても、授権行為は当然には

無効にならないことがあり得ます。

その限りでは、取引の安全に寄与することになります。

代理権を証明する手段としてしばしば委任状が交付されます。

その特殊なものに白紙委任状があります。

代理人の氏名や代理権の内容が書かれていない委任状であり、このような場合には、

しばしば代理権の範囲が不明確となり、本人との関係では権限の濫用が、

代理行為の相手方との関係では表見代理が、

問題となりがちです。