法律上、譲渡という用語が用いられる場合が多い(譲渡所得・営業譲渡・譲渡証書・

信託的譲渡・譲渡担保など)。これは「権利・財産・法律上の地位などをそのまま

甲から乙に移転すること」だといってよいが、相続による移転を譲渡とは

いいません。譲渡というためには、甲・乙間の意思表示に基づいて

権利などが移転する場合をいうのであって、契約によるのが

通常である。では譲渡をもたらすのはいかなる契約か。

これは民法上の契約類型のうち贈与・売買・交換・終身定期金・和解が含まれ、

「財産権移転契約」といっています。このほか、担保目的のために権利を

移転する契約(いわゆる譲渡担保契約)があり、税法上の譲渡には

借地権の設定契約も含まれるなど、多義的であります。
 

しかし、こういう特殊な場合でも、一般に譲渡というときは、対価を伴うもの

(有償譲渡)と対価を伴わないもの(無償譲渡)に区分できるところから、

有償譲渡の場合には売買の法理に従い、無償譲渡の場合には

贈与の法理に従うと解しています。

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