履行遅滞(りこうちたい)



履行が可能であるにもかかわらず、履行期を過ぎても履行をしないことをいいます。

債務不履行の一種です。


債権の目的が焼失したり、履行ができなくなっているのではなく、履行しようと思えば

履行できる状態にある点で履行不能とは異なります


履行期は、当事者間で決めてあることが多いのですが、何月何日と確定的に決めてある

ときには、その期限を経過すると遅滞になり、また上京してきたら時計をプレゼント

しようというように不確定な期限を決めたときには、債務者が相手の 上京の事実を

知ったとき(上京のときではなく)から遅滞となります。


例えば、材料を買ったのに納品しないので工場を休まざるを得ない場合のように、

履行が遅れたために債権者が思わぬ損害をこうむることがあります。

その場合に履行遅滞を理由として、損害賠償(遅延賠償)をとるには、債務者の

側に遅延について故意・過失がなければなりません。

もっとも、金銭債務については特則があり、履行の遅れが不可抗力による場合

でもまた、実損害の有無にかかわらず遅延利息をとることができます。


なお、契約に基づく債務の履行遅滞の場合には、契約を解除する

こともできます。