売主が、ある財産権(例えば品物や土地の所有権、地上権、債権など)

を買主に移転するのに対して、買主がその代金を支払う契約です。

①売主の義務─売主は目的物を完全に引き渡す義務を負います。

すなわち、

(イ)所有権そのものを移転しなければなりません。

(ロ)契約の対抗要件としての登記を移転し、引渡しをしてやらねばなりません。

(ハ)一切の権利証その他の付属書類を渡さなければなりません。

(ニ)特に大切なのは売主の担保責任です。

これは売買の目的物である物または権利に不完全な点のあったときに、

売主が代金を減額し、契約の解除を受け、損害賠償を

負わなければならない責任です。

②買主の義務─買主は代金を支払い、その支払いが遅れたときには、

それに利息を、付けなければなりません。目的物の引渡し

前に生じた果実は売主に帰属するのに対応して、

引渡しが遅れているときは、買主がこれを

受け取るまでは利息は付けなくても良いです。

なお、買主は、同時履行の抗弁権を援用できる場合のほか、売買の

目的物につき権利主張者があって買い受けた権利を失う

おそれがある場合や、売買の目的たる

不動産につき担保物権が付いている

場合などには、代金支払いを

拒絶することができます。

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