昭和58年に「建物の区分所有等に関する法律」が大改正され、簡明さを欠く
うらみのあった区分所有に関する権利関係につき、建物の専有部分と
敷地利用権の一体の原則が採用されました。
この原則に基づく公示方法として不動産登記法上敷地権の登記が創設され、
取引の安全の保護に資することとなりました。
敷地権とは、区分所有法の敷地利用権に当たる権利につき登記されたものであり、
建物と分離して処分することのできないものをいいます。
建物の専有部分と敷地利用権の一体の原則は、次のような仕組みで表されます。
すなわち、登記記録上、建物登記記録の一棟の建物およびその専有部分の
登記記録の表題部に敷地権の表示をするとともに、土地登記記録の
相当区事項欄(所有権については甲区欄、地上権・賃借権
については乙区欄)に、「敷地権たる旨の登記」
をすることによって一体化していることを公示し、
以後、建物と土地について一体的に生ずる物権変動については専有部分の登記記録
のみに登記をすることにより、その効力が土地にも及ぶこととしています。
そして専有部分と敷地に関する権利が別個に
処分されることを原則的に
禁止しているのです。
敷地権となるのは、建物が所在する土地および建物が所在する土地以外の
土地であって一体的に管理または使用する土地につき、
登記された所有権等です。
ただし、一体性の原則の適用を除外する旨の規約が設定された場合は敷地権とは
なりません。なお、「敷地権たる旨の登記」は、
権利に関する登記ではあるが対抗要件としての
効力を有するものではありません。
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