債務履行の場所は、民法上、原則として債権者の住所であるが、商事債務の

履行について商法は、同じく持参債務の原則をとりながら、

履行の場所を、それが特約などで定まっていない限り、

債権者の営業所とし、営業所がない場合に

はじめて債権者の住所としました。

特定物の引渡しを目的とする債務については、履行の場合は、

民法では債権発生の当時その物が存在した場所とされていますが、

商法は、行為の当時その物の存在した場所としました。

「債権発生の当時」と「行為の当時」とでは、行為時にまだ債権が

発生していない停止条件付法律行為や始期付法律行為の

場合に差異が生じます。