訴えが提起された後に、もはや審判を求めない旨の、
裁判所に対する原告の意思表示のことです。
AがBの所有地に、無断で小屋を建てて使用しているので、BはAを相手どり、
「小屋を収去して土地を明け渡せ」と請求する訴えを起こしました。
訴訟の途中で、Aは訴訟に負けることがはっきりしてきたので、
判決を待たず自分で小屋を取り除いて土地を明け渡しました。
このような場合、Bは、判決をしてもらう
必要がなくなるので訴えを
取り下げることができます。
訴えは、原告が請求について裁判所の審理裁判を要求する行為だが、
このような要求を撤回するのが訴えの取下げで、
訴えの取り下げがあると、訴訟は終了します。
このように訴えの取下げは原告の意思表示によるが、相手方が本案(請求)について
準備書面を提出し、弁論準備手続で申述をなし、または
口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を
得なければ取下げの効力は生じません。
当事者双方が口頭弁論もしくは弁論準備手続の期日に出頭しないなどの事由があり、
一ヶ月以内に期日指定の申立てをしないときは、
訴えの取下げがあったものとみなされます。
また、当事者双方が、連続して二回、口頭弁論あるいは弁論準備手続の期日に出
頭しないなどの事由があるときは、やはり訴えは
取り下げられたものとみなされます。
当事者に訴訟追行の熱意がないものと考えられるからです。
訴えの取下げが適法になされると、取下げのあった部分については初めから
訴訟係属がなかったものとみなされます。取下げは
終局判決があった後にあっても可能であるが、
本案につき終局判決があった後に取下げがあったときは、同一の訴えを
再び提起することは許されません。
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