株主総会がある特定の事項を有効に決議するために必要とされる、

株主の最低限の出席数です。
 
 ①一般の通常決議は、総株主の議決権の過半数を有している株主が出席して、

その議決権の過半数の賛成で決する。

すなわち通常決議の定足数は、原則として総株主の議決権の過半数であります。

もっともこの定足数は定款の定めをもって軽減したり排除したりすることができるので、

多くの会社ではその定款に、「総会の決議は法令または定款に別段の

定めある場合を除き、出席した株主の議決権の過半数で決する」という

規定をおいています。

ただし、取締役、監査役、会計参与の選任等の決議については、

定款で決める場合であっても、株主総会に出席しなければならない株主の

議決権の3分の1未満に下すことはできません(決議要件を

定款の定めで引き上げることも可能である)。

 ②通常決議のほかに、特別決議というのもがあります。

309条2項各号に挙げられている重要な事項の決議は、

総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上

(定款で厳格化可能)に当たる多数決によってなされます(309条2項柱書、

定款で一定数以上の株主の賛成を要件とすることも可能である)。

すなわち、特別決議の定足数は、総株主の議決権の過半数ですが、この定足数も、

定款の定めをもって軽減したり排除したりすることができます。

その場合であっても、総株主の議決権の3分の1未満に下すことはできません。

 ③さらに、特殊の決議というものがあります。

(1)309条3項各号に挙げられている特に重要な事項の決議は、その総会で

議決権を行使できる株主の半数以上(定款で厳格化可能)で、その株主の

議決権の3分の2以上(定款で厳格化可能)に当たる多数決によってなされます。

(2)剰余金や残余財産の配当を受ける権利および株主総会における議決権に関し、

株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定める定款変更の決議は、

総株主の半数以上(定款で厳格化可能)で、総株主の議決権の

4分の3以上(定款で厳格化可能)に当たる多数決によってなされます。

すなわち、これらの特殊な決議における定足数は、

(1)では議決権を行使できる株主の半数以上、

(2)では総株主の半数以上であります。

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