常習犯(慣行犯・慣習犯)は、犯人の常習性によって成立する犯罪です。

 常習性とは、ある一定の犯罪行為を反復して行なう習癖のことをいいます。

 常習犯においては、常習性が刑罰加重事由となっており、その意味で

 身分犯にあたります。

 常習犯は累犯とは区別されます。


  我が国の刑法において、典型的な常習犯は常習賭博罪です。

 そこでは「常習として賭博をした」が構成要件とされています。

 また、特別法においては「暴力行為等処罰ニ関スル法律」に「常習暴行罪」、

 「常習脅迫罪」があり、「盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律」に

 「常習強盗窃盗罪」、「常習強盗強姦罪」などがあります。


  常習性は、同種行為を繰り返すという獲得された習性であるので、

 例えば賭博罪を犯せば、それが一回の行為であっても

 常習賭博罪になり、反対に数回に渡って行なっても

 一回の常習賭博罪になります。


  常習性が行為の属性なのか、行為者の属性なのかについては

 見解の対立があります。

 なお、改正刑法草案は「常習累犯」を定め、「不定期刑を

 言い渡すことができる」としています。