犯罪概念の基底をなす行為を社会的に意味のある有意的挙動と解し、行為の本質を
社会的外界に対する関係と把握することで、社会的共同体をその評価の視点とする
理論をいいます。
ドイツのエ・シュミット、エンギッシュ、マイホーファー等の主張にかかります。
この行為論は、19世紀以降のドイツの通説となった因果的行為論が行為を人間の
意思活動によって外界に
末には行為を自然法律的にとらえるなど自然科学的行為概念にまで極端化
したのに対して、「人間行為の社会的意味は、行為者の個人的視点では
なく、他者の社会的視点から規定される」(マイホーファー)として、
行為を社会現象として把握したのです。
しかし、この理論は、その基礎を自然科学的行為概念に置き、行為者の主観的意思
内容を行為論から除外している点では、やはり、因果的行為論と軸を同じくする
ものであって、目的的行為論からの鋭い批判もここに集中しています。
また、もともと因果的行為概念の無制約・無定量の広がりを縮小する
規範的・評価的メルクマール(Merkmal)でありますが、その標準の
置き方次第では、この機能を没却するばかりか、犯罪概念の
基底をなす行為を構成要件的にア・プリオリに把握し得ず、
結局、違法論との区別を曖昧化す
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