法律の規定がなくても、その行為自体が既に反道徳的な犯罪をいいます。


  「殺すなかれ、姦淫かんいんするなかれ、盗むなかれ」などは、エホバ(Jehovah) の神の

 十戒以来の戒律です。

 殺人罪という刑法の条文がなくても、人を殺してはならないという

 道徳律ははっきりしています。

 このように法律の規定がなくても道徳上悪いこととされている行為を

 内容とする犯罪を自然犯あるいは刑事犯といいます。

 自然犯については「それが犯罪になるとは知りませんでした」という

 弁解は通用しません。

 「法律を知らなかったとしても、そのことによって、犯罪を犯す
 
 意思がなかったとすることはできない」という規定は

 これをいったものとされています。

 刑法典に規定されている犯罪は

 大抵この自然犯に当たります。