債務者がその債務を完済できないと推測される状態にあることです。

次の三種です。

①支払不能 債務者がその財産・労務および信用などのあらゆる経済力を

もってしても、既に弁済期が到来し、しかも支払いを請求されている

金銭債務の大部分を相当の期間内に支払うことのできない継続的かつ

客観的状態にあることをいいます。

したがって、債務の全額を即時に支払えなくても、多少の猶予を得られれば、

他から金融を得て相当額(例えば7、8割)の即時支払いが

できるような見込みのあるときは支払不能となりません。

②支払停止 債務者が債権者に対して、明示または黙示的に債務の支払いが

できないことをあらわす行為をいいます。

例えば店頭掲示とか新聞広告で、支払いを停止する旨を告示したり、

無断で廃業閉店したりすればこれに当たります。

最も普通にみられるのは「手形の不渡り」です。

なお支払停止があると支払不能の状態にあるものと推定されます。

③債務超過 株式会社等について、支払不能とならんで認められた

特別の破産原因です。

資産(プラス財産)よりも負債(マイナス財産)がオーバーする

ことをいいます。

ただし、これを広く破産手続開始原因として認めると、借入金によって

事業を経営している会社が、支払能力はあっても破産になることになるので、

資産の評価を処分価格ではなく、収益力を加えた企業継続価格

(ゴーイング・コンサーン・ヴァリュー)として評価すべきでしょう。

なお、相続財産の破産については、債務超過だけが、破産手続開始原因です。

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