法によって保護されている利益をいいます。



 例えば、殺人罪の規定によって保護されている法益は人の生命であり、

 窃盗罪の規定で保護されている法益は個人の私的財産です。

 こうしてみると、犯罪は何らかの法益を侵害する行為であり、

 その侵害に対する精細せいさいとして、法はその行為者に

 刑罰を科します。


  法益は、その利益の帰属主体によって、個人の生命や財産のような

 個人法益と、流通経済の安定、社会の安穏あんのんというような社会法益と、

 国家作用の遂行というような国家法益の三つに分類され、

 刑法典は、この分類によって各種の犯罪を

 編別しています。