第三者の意味が民法上特に問題となるのは、民法一七七条・一七八条においてです。
古い考え方は、ここにいう第三者の範囲を一般的な意味にとり
例えば、Aさんから建物を買ったがまだ登記をしていないBさんは
Aさん以外のだれに対しても、例えば、その家に放火した者(不法行偽物)や
勝手に入り込んだ者(不法占拠者)に対してさえ、自分が所有者だということを主張できないといいます。
しかし、現在の通説・判例は、そもそも民法が登記や引渡しを対抗要件とした趣旨は
正当な取引が円滑に行われるようにしようということにあるので
不法行偽物や不法占拠者のように、登記や引渡しがないことを主張することについて
正当な利益を有しない者あるいは登記や引渡しのないことを主張することが
著しく信頼を裏切るような者(背信的悪意者)は
第三者に含めるべきではない、としています。
なお、不動産登記法五条は、詐欺または強迫によって登記の申請を妨げた者
および他人のため登記を申請する義務を負っている物を第三者から除外しています。
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