引渡し(ひきわたし)


占有を手放すことです。

狭義には現実に物を受け渡しすること(現実の引渡し)をいいますが、

普段はもっと広く、簡易の引渡し占有改定指図による引渡し

などの簡便・略式の引渡し方法をも含めます。


引渡しには、以下のような法律効果を伴います。

動産物権変動の対抗要件となります
 
 ただし、引渡しは登記などと違い一時的なものであり、しかも上記の
 
 ような略式の方法も引渡しとして対抗要件になるとされるため、
 
 公示方法としては不完全です。
 
 そこで取引の安全を図るため、この欠陥は即時取得によって
 
 補てんされています。

②借地借家法31条、農地法18条では、引渡しは建物賃借権や農地の
 
 賃借権・永小作権の対抗要件となります。
 
 登記を対抗要件とする民法の原則の例外となります

③売買契約では、特約がなければ、売主は引渡しがあるまで目的物
 
 の果実取得権を有し、その反面買主は引渡しがあるまで代金

 の利息の支払義務を負わないものとされています。