土地建物の売買や賃貸借のように売主と買主、賃貸人と賃貸借いう

相対する二人以上の当事者が合意することによって、権利義務の

関係をつくり出す行為をいいます。

① 契約は法律行為の一つ__本人の意思表示に基づいて権利義務をつくり出したり、

変えたりする行為は法律行為です。合同行為(多数の人で団体をつくる

場合のように、数人の意思表示が同一の目的に向かってなされる

行為__社団の設立や決議など)や単独行為

(一方的に意思表示して権利義務をつくり出す行為__取消し・追認・遺言など)と

ともに、契約もその一種であり、当事者双方の意思表示の合致によるので、

双方行為ともいわれます。ですから契約には、民法総則の法律行為に

関する規定や意思表示に関する規定が適用されます。

ところで、民法第三編の契約は、債権関係をつくり出すいわゆる債権契約であって、

物権契約(地上権設定契約や抵当権設定契約)、準物権契約(債権譲渡のように、

直ちに債権移転の効果が生じ、後に債権者の履行の問題を残さない契約)、

身分契約(婚姻や養子縁組)とは異なります。

しかし、債権契約に関する通則は、他の契約にも性質に反しない限り

準用してよいと解されています。

② 契約は、対立する意思表示の合致によって成立です。__普通には、

申し込み・承諾という対立している二つの意思表示の合致で成立となります。

ただし、契約の実体は合意にあるのだから、申し込みに対して

ホテルの部屋をリザーブしておくとか(意思実現)

双方の当事者が同一内容を持つ契約の申し込みをする(交叉申込み)という

場合のように、必ずしも申し込みと承諾の意思表示が対立していなくとも

合意ありとみられる限りそれにより契約が成立できることがあります。