契約は、原則として守らなければなりません。だから、売主の転勤時に効力が
生ずることを条件として建物の売買をすれば、売主はその売買は、
転勤時に効力を生じ、その時点で建物の所有権と占有を買主に
移転する義務を負い、所有権は、移転時に買主に移るし、
その時期を特約により遡及させれば、特約どおり
さかのぼって保有権移転の効果を生じます。
いずれにせよ、所有権移転を第3者に対抗するには登記を必要とします。
これに対し、転勤のないまま定年を迎え退職すれば、
売買は無効となります。
また、売買に当たり、所有権と占有を転勤時に移転する約定を結べばこれを
守るべき義務は売買時に生ずるのであり、したがって停止条件付売買では
ないが転勤のないことが確定すれば、この義務は
履行不能で消滅します。
いいかえれば、同じ目的を達成するため、法律行為の発効時を
成否未定の事実にかからせる方法と、義務の履行期を
その事実にかからせる方法があるわけです。
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