債務成立の当時には履行可能であったものが、後に債務者側の故意または過失によって

履行が不可能になった場合をいいます。

なお、不可抗力による不能であっても、それがいったん履行遅滞となった後に

生じたものであるときには、結局は債務者に

責めありといえます。

 例えば、売買契約の当時に債務者の所有していた家屋が、買手に引き渡される

前に売手の不注意で焼失した場合や、売手が第三者に二重に譲渡したうえ

登記も移してしまった場合などがあります。
 
履行不能となった場合には、債権者は債務者に対して、損害賠償

(塡補賠償)を請求し得る。

そしてその債務が契約に基づくものであるときには、

債権者は契約を解除することができます。

 広い意味では、債務成立当時既に履行ができない状態であった場合(原始的不能)も

履行不能といわれますが、その場合はそもそも契約は成立しないので

上に述べたような問題は生じません。また、債務成立後に履行が

不能になった場合(後発的不能)であっても、それが

不可抗力によるときには、債務は消滅してしまいます。

そして双務契約の場合には危険負担が問題になるだけです。
    

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