物(例えば時計)を借りている者や修繕などのために預かっている者は、自分の不注意

からその時計を盗られたり、紛失したりすると、時計の返還に代え損害を

賠償しなければなりません。ところで、時計の代価を賠償した後になって

その時計が出てきた場合には、時計はだれの所有物になるだろうか。

元来の所有者だからということで貸主・預け主に帰属すると

彼らは時計と代価を二重に利得することになって不都合です。


 そこで、民法は、この場合のように、債務者がすでに損害賠償として債権の目的物の

価格を支払ったときには、その時以後債務者は債権者に代わってその物の権利を

取得することにしました。したがって、この場合は時計は借主・預かり主の

ものとなります。これを賠償者の代位といっています。

 カテゴリ

 タグ