主観的構成要件要素とは、行為者の主観的要素(目的犯における目的、故意、
過失,etc)が構成要件の要素となることをいい、客観的構成要件要素
(行為の主体、客体、状況,etc)に対して認められる概念です。
ところで、従来、違法判断の対象は、外部的・客観的なものでなければならない
とのことから「違法は客観的に、責任は主観的に」ということがいわれ、
行為者の内部的態度である主観的要素は責任判断の対象であると
されてきました。
しかし、近年、違法の客観性とは違法判断の客観性を意味するものであって、
違法判断の対象の客観性を要求するものではないということがいわれ、
主観的要素が違法判断の対象となり得ることが主張される
ようになりました。
そこから、主観的要素が違法要素となる場合が主観的違法要素であり、
それが構成要件に取り込まれる場合が主観的構成要件要素だと
いうことになります。
しかし、目的犯における目的、傾向犯における主観的傾向などは
違法性に何らかの影響を与えるものとして主観的違法要件で
あるとのことが一般的に認められていますが、
故意・過失については見解の対立があります。
違法とは法益侵害(危険)と解する通説的見解からは、故意・過失は、
違法性に影響を与えるものではないとのことからそれが否定されて
いるのに対し、違法とは社会的相当性から逸脱することであると
する人的違法観に立つ見解からはそれが肯定されています。
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